と言われたとしたら、相手はどんな気分になるでしょう。いい気分になる人はいないのではないでしょうか。「ちゃんと伝えたのに、分からないとは失礼だな!」といった感情を掻き立てる結果になってしまう可能性もあります。海外の仕事相手と良好なビジネスリレーションシップを構築していくことを考えても、こういった質問の仕方には十分気を付けるべきです。
伝えられた情報が理解できないのは、相手の伝え方がよくない場合もあれば、自分が単に読み間違えただけかもしれませんし、自分の英語スキルが問題になっている場合だってあるかもしれないこと頭の片隅に置いておくとよいと思います。
【注】相手に対する気配りについては、その人が海外のカウンターパ
ートであろうが、国内の人であろうが、ビジネスを進めていく上で
は当たり前のマナーです。そんなことをわざわざ言われなくても
分かっている、と思われるかもしれません。しかし、日本の取引
先相手とはきちんと対応できていても、海外の企業や人との英
語を使ったコミュニケーションでは、こうした気配りがついつい疎
かになってしまう傾向があるのも事実です。もし国内の取引先と
はよい関係が構築できているけれど、海外の取引先とはそうで
もない状態である場合、ひょっとしたらこの気配りの仕方に差が
あるのが原因の一つなのかもしれません。
7.3. 返答しやすい質問:3つの確認質問のパターン
それではいくつか例文を使いながら、伝えられた情報の内容を確認する具体的な手段を考えていきましょう。
仕事をスムースに進めていくためには、分からない事柄を確認する作業はなるべく迅速に進め、早く解決したいものです。情報を提供してもらった相手に質問する場合、なるべく時間をかけずに返答できる形にして質問することが早く返答をもらうコツになります。相手にしてみれば、既に伝え終わったと思っていることをもう一度伝えることになりますので、同じことを長々と説明するのは面倒になってしまいがちだからです。
返答しやすい確認質問の構成の仕方は、大きく分けて、次の3つのパターンがあります。3つのパターンの名称とそれぞれの主な利点と欠点を下に挙げます。
① 〇☓式確認質問: 「Yes」か「No」でこたえられる質問。
[主な利点]
■ ある特定したトピックに対し、ピンポイントに質問できる。
■ 返答の内容が「Yes」か「No」なので、相手にとって返答しやす
い。
[主な欠点]
■ 「Yes」か「No」でこたえられない内容については、使用できな
い。
■ 詳しい情報を得たい場合は、不向き。
■ 自分の理解度が低いことなどにより、確認のためにした質問
と、相手が伝えた内容がかみ合わなくなるリスクがある。
② 選択型確認質問: 選択枠を複数設け、その中から正しい
答えを選んでもらう質問。
[主な利点]
■ 質問の回答を「Yes」か「No」では答えられないが、ある程度予
測できるトピックに対して有効。
■ 伝えられた情報の細部を確認するときに適している。
■ 選択枠を設けることで、返答する側も時間をかけずに返答でき
る。
■ 〇☓式質問ほどではないが、要点を絞った質問ができる。
[主な欠点]
■ 複数の質問をする際は、使用することが難しくなる。
■ 質問する際に設定した選択枠の中に正解がない場合、正確な
回答を得るのに時間がかかってしまう。
■ 考えられる回答の選択枠が広く絞り込みが難しい場合、それぞ
れのチョイスを設定するだけで時間を要してしまう。
■ 質問される側は、内容によっては誘導質問されているように感
じてしまうことがある。