上のメールを送った後に起こり得るシナリオは、どのようなものがあるかを考えておく必要もあるでしょう。例えば下のようなシナリオが考えられます。
■ 先方がこちらの言い分に対し理解を示し、起きている状況を了承
する
■ 理解を示すものの、計画通り3,000本の発注するよう要請してく
る。
■ このような問題が二度と起きないための、再発防止策を具体的
に示すよう要求される。
■ 今回の問題を踏まえ、販売価格の見直し要求される。
考えられるシナリオに対し、どのようなアクションをとるかを予め検討し準備しておくことも忘れてはいけません。
6.6. まとめ
この章では、海外のカウンターパートに対し伝える情報の伝え方と、それを行う際に注意すべき事柄をご紹介しました。ここでもう一度6つのルールをおさらいしておきましょう。
ルール1: 伝えたいことだけを伝える (野球のキャッチボールと一緒)
ルール2: コミュニケーションをとっている理由(目的)を最初に伝える
ルール3: 伝える内容を限りなくシンプルにする
ルール4: 視覚的に分かりやすくする
ルール5: 「日本語英語」は使わない
ルール6: 築いたセルフ・ポジショニングを崩さない
これらのルールに基づいて情報を構成する前に、事前準備として行う情報の整理やシナリオ作りのやり方についてもご紹介すると同時に、その重要性についてもお話ししました。
これらが海外のカウンターパートに対して情報を発信する際に、伝える内容を構成する骨組みとなります。この骨組みにどのような肉付けをしていくかで、自分独自のコミュニケーションスタイルが確立されていきます。この「肉付け」の部分でまだまだお伝えできることはありますが、この章はひとまずこれで終わりとしましょう。
効果的に情報を伝える手段については、第8章と第9章でもこの章の内容とは別の切り口で紹介していますので、是非見てみてください。
さて、自分から発信する情報をクリアにすることについてはひとまずよしとして、今度は仕事相手から伝えられる情報を間違いなく理解するにはどうすればよいかを考えていきましょう。もちろん、もし先方からの情報がこの章で紹介した内容を網羅した形で送られて来れば、何も検討する必要はないでしょう。しかし残念ながら、そう期待することは現実的ではありません。
海外の仕事相手から伝えらた情報がよく理解できなかった場合、受け取った情報をどう扱えばよいのでしょうか? 何もせずにそのままにしておいては仕事は進みませんし、間違った解釈をしてしまえば後々問題を引き起こす素になってしまいます。次の章では「仕事英語を身につける パートII」として、海外の仕事相手から伝えられる情報を間違いなく理解するための手段について考えていきます。