第1章 はじめに 【1/4】

ビジネスの国際化の動向と英語スキルアップの必然性について

 

 この章では、まず最初にこれから先の日本のビジネスにおいて、英語を使って効果的に仕事ができるようになることがどういう意味を持つのかについて考えます。そして章の後半では、今回掲載する「仕事英語を身につける」をまとめるに至った理由をお伝えしながら、第2章から第10章でご紹介する内容を含め、全体の構成について簡単に説明したいと思います。

 

 

1.1. 日本を取り巻くビジネス環境について

 

  「現在の国内外の経済情勢は、20年前のそれと比べると、内容は

  大きく変化している。」

 

 この意見に対し、どう思われますか?賛成ですか、それとも反対ですか? 想像するに、これに反対の人は少数派になるのではないでしょうか。経済情勢は常に変動しているのだから、20年前と現在を比べて大きく変化しているのは当たり前だ、と思われる人が圧倒的に多いのではないでしょうか。

 

 「10年ひと昔」と言われる中、なぜ20年前の経済情勢と現在を比べる話をしたかといいますと、読者のみなさんにある言葉を紹介したかったからです。この言葉はビジネスにおいて、20年前も、そして今もその重みや新鮮さ失わずに使われ続けています。世の中がこんなに変化しているのに、ビジネスの世界においてそんな言葉があるなんて、驚きですね。

 

 20年前もそして現在も、「国際化」または「グローバリゼーション」という言葉は「必要」や「重要」、または「課題」という単語とつなげられて我々の前によく姿を現します。その理由は至ってシンプルで、20年前も現在も、ビジネスの「国際化」は相変わらず「必要」であり、「重要」であり、また日本経済の「課題」であるからです。

 

 最近のニュースから、今の国内外の経済の動向を象徴するキーワードを下に幾つか並べました。これらの動向が、上に挙げたビジネスの「国際化」という言葉にどのようなつながりがあるかを見てみたいと思います。

 

 まずは世界の経済動向を表すキーワードから。

 

  ■ 「財政危機」の影響による先進国経済の停滞

  ■ 「新興国経済の発展」に伴う新興国の影響力の増大と

    市場の分散化

  ■ 世界を漂流する膨大な「投機マネー」の影響による為替・金融

    市場の不安定化

  ■ SNSや環境ビジネスなど、既存のビジネス構造に大きく依存し

    ない「新しい産業」の発展

  

 この他にも「不安定な中東情勢」も挙げられると思います。(理由は何であれ、中東情勢が不安定なのは今も昔も変わらないのも事実ですが…。)

 

 次に現在の日本経済の動向を象徴する事柄を下に挙げてみましょう。

 

  ■ 「東日本大震災」が及ぼす様々な影響について(政治、経済、

    環境、被災地域の復興と生活の安定など)

  ■ 回復の兆しはあるとされるものの、大震災の影響で先行きがま

    すます見えにくくなった「景気動向」

  ■ 日々悪化し、改善される見通しが立たない「財政赤字」(間もなく

    国債の発行残高が日本の民間が保有する金融資産に追いつい

    てしまう状況です。)

  ■ 「少子化」の影響による人口と市場規模の減少傾向

  ■ 本格化し始めた「規制緩和」の流れ(震災の影響で先送りになる

    可能性もあり)

 

 この他にも「高い失業率と就職難」や「社会保障制度の見直しと税改革」といった事柄も挙げられると思います。

 

 これらの国内外の経済動向を表すキーワードは、日本で生活する我々にとって何を意味するのでしょうか。そして今後の我々の仕事や生活にどのような影響を及ぼすのでしょうか。色々な見解があると思いますが、次の4つの展望については、多くの人が同意するものであると思います。

 

  1.  日本経済や市場規模は引き続き世界のトップクラスであ

    続けるものの、少子化や財政問題が影響し、緩やかに下

    していく。(規制緩和などの必要な経済政策の展開が遅れ

    ると、状況は大きく悪化する可能性がある。)

 

  2.  これまでの世界経済をけん引してきた先進国経も、それ 

    ぞれの国が抱える財政問題などが影響し、存在弱ま

    っていく。今後も世界経済をリドする立場は変わらないも

    のの、これらの国の経済が飛的に成長する環境になるこ

    とは考え難い。

 

 

 

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