『二都物語』と同じ時代背景

 

本日のニュースで、アメリカ国家情報会議(NIC)が2030年の世界情勢に関する報告書を発表したことについて伝えています。(例:ロイター日本語English) こうした報道記事の主な内容は、2030年までに中国がアメリカを抜き世界1位の経済規模になる、アジア経済が欧米経済を上回る規模になる、現在のアメリカのような超大国は存在しなくなる等です。

 

確かにこのレポート、「Global Trends 2030: Alternative Worldspdfの中には上の内容も記載されていますが、この他にも今後の世界情勢を検討する上で参考になる内容がたくさん記載されています。そうした内容がカバーされていないのは大変残念ですが、報道機関にそこまで求めるのも無理があるのは重々承知、です。

 

従ってこのブログが一人でも多くの方にとって、この報告書に目を通すきっかけになればと願ってなりません。

 

このレポートがその他の機関が発表するものよりも意味あると思うのは、アメリカの国家機関が公式に出した予測であること、つまりアメリカという世界で最も影響力ある国の今後の世界情勢に対する見解であるということです。当然今後のアメリカが打ち出す政策に何らかの影響を及ぼすとみて間違いないでしょう。(重ねまして、ぜひ一読をお勧めします。英語で分からないところがあれば、お気軽にこちらにご連絡頂くか、トレースグローブのフェイスブックページでお知らせください。)

 

今回のブログでは、レポートの「Introduction」のページに記載されていた内容をご紹介します。レポートの内容を細かく書くよりも、今我々が置かれている時代、そしてこれから先の20年がどのように位置づけされているかが分かると思うからです。(以下は小生の拙い訳にて…)

 

 

The backdrop for A Tale of Two Cities was the French Revolution and dawn of the Industrial Age. We are living through a similar transformative period in which the breadth and scope of possible developments—both good and bad—are equal to if not greater than the aftermath of the political and economic revolutions of the late 18th century.

 

『二都物語』の背景には、フランス革命と産業革命の始まりという2つの大きな変化が背景にあった。今我々は、18世紀後半に起きた政治的、経済的な革命によって生じた新しい展開(良い事も悪い事も含めて)と同様の、若しくはそれ以上の規模と領域において変化が起き得る時代を生きている。 

 

 

It was the best of times, it was the worst of times . . . it was the spring of hope, it was the winter of despair . . . we were all going direct to Heaven, we were all going direct the other way . . .”       Charles Dickens, A Tale of Two Cities

 

「それは最高の時代であり、最悪の時代であった・・・ それは希望に満ちた春であり、絶望の冬であった・・・ 皆が天国に向かって進み、同時に皆が反対の方向に進んでいた・・・」 

 

                          ―チャールズ・ディキンズ著 『二都物語』より

 

 

 

ついでといっては何ですが、このレポートの最初には、イギリスの経済学者ジョン・メイナード・ケインズの名言も記されていましたので、合わせてご紹介します。  

 

 

. . . the idea of the future being different from the present is so repugnant to our conventional modes of thought and behavior that we, most of us, offer a great resistance to acting on it in practice.”  John Maynard Keynes, 1937

 

「未来が現在とは異なるという考えは、現行の考えやと活動の常識とつじつまが合わないことから、我々は、―少なくとも我々の大半は―、それに倣い実際に活動することに対し強く抵抗する・・・」  

                                                           ―ジョン・メイナード・ケインズ 1937年 

 

 

ご存知の通り、ケインズ氏が打ち出した考えは、当初は全く「現行の考えや活動の常識とつじつまが合わない」とされ、受け入れられませんでした。しかし結果として、彼の新しいアイディアは世界経済を大恐慌から脱却させることに大いに貢献しました。

 

18世紀末の『二都物語』の時代を生きた人々の中でも、これから先も、今まで通り何も変わることはないと考えた人がたくさんいたでしょう。今だからこそ、その仮定は大きな間違いだったと言えますが、当時はそれこそが「現行の考えや活動の常識」だったかもしれません。

 

今回発表されたNICのレポートが示唆するように、我々が生きる今の時代が同様の時代背景だとしたら…。ご参考

 

 

(おわり)

 

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