パーフェクト・ストラクチャー (その2)

「外の要素」とは何か

 

それでは、グローバル化を効果的に進めるにあたり、内向き志向に陥りやすい企業・組織が取り込むべき「外の要素」は具体的にどのようなものなのかについて、あれこれ考えてみたいと思います。(参考:前回のブログ

 

「外」、があるからには、それに対する「内」も存在しなければなりません。節分の豆まきではないですが、この「内」と「外」を切り分けるには、どのような見方をすればよいでしょうか。

 

最も分かりやすい「内」と「外」の切り分けは、これまでビジネスを展開してきた地域を「内」とし、それ以外のエリアは「外」とする切り口です(エリアベースの切り口)。また、これまで対象としている業界、事業分野、市場セグメントなどを「内」とし、それ以外のマーケットは「外」とする見方もあります(顧客ベースの切り口)。更には、現行の商品の使われ方を「内」とし、それ以外の使い方として考えられる事柄を「外」とすることもできます(使用用途ベースの切り口)。これ以外にも切り口はありますが、今回はとりあえずこの3つをベースとして考えます。

 

 

     切り方によって、味も変わってきます
     切り方によって、味も変わってきます

 

エリアベースで考える「外の要素」は、現状のビジネスの活動領域を維持することがビジネスを進めていく上で最適であるか、若しくは変更する必要があるかを検討・確認する際に、そして変更する場合はそれを実施する際に必要です。提供している商品をA国だけでなくB国にも展開するか、商品の開発・製造は現状のC国よりもD国に一部を移した方が効率化できるかなど、エリアベースにおいて「内」か「外」かを検討する事柄は常にあり、それらを決めるのに、「内々のメンバー」のみではなかなか最良の判断を導き出せません。

 

次に、顧客ベースで考える「外の要素」は、提供している商品は、今対象としている顧客以外にも提供することができるかを検討・確認する際、そしてアクションを展開する際に必要です。例えば、化粧品メーカーが提供する洗顔料や化粧水等の商品は、これまでずっと女性向けの製品として販売されていましたが、今では同じ製品を若年層の男性にも提供し、支持を得ています。組織において「外の要素」を取り込む環境がなければ、こうした発想はなかなか出ません。

 

最後に使用用途ベースで考える「外の要素」は、ある商品に使われているコンセプトや素材、または製品である場合は特殊な技術を、別の商品に応用して提供することを検討する際に必要です。独自の技術で開発された扇風機の風を起こすノウハウを、空気清浄器の空気を吸い込む技術に応用して成功を納めているベンチャー企業がありますが、この会社は積極的に他メーカーなどを辞めた有能な人材を採用することで「外の要素」を取り込みながら成長していることでも有名です。

 

上ではそれぞれの「外の要素」を分けて考えましたが、実際のビジネスにおいてはこれらの事柄を一緒に考えなければなりません。(この製品はA国だけでなくB国でも売れるのか? B国での販売チャンネルはどう確立するのか? B国で対象となる顧客はA国と同じセグメントでよいのか? A国とB国とでは、文化も習慣も違うが、この製品の使用用途は、A国と同じでよいのか? もし変えなければならないならば、B国に最もマッチした使用用途は何なのか? などなど…)

 

現在のように国境の壁が日に日に無くなっているビジネス環境において、「内々のメンバー」で構成された、内向き志向になりがちな組織では、こうした事柄について最良の判断を下すことが難しいのは当たり前でしょう。また、「外の要素」を取り込むといっても、その切り口は複数存在しますので、何をどれくらい取り込めば、自分たちの組織が「パーフェクト・ストラクチャー」になるのかは、誰も明確に分からないのです。

 

「パーフェクト・ストラクチャー」への道のりは、簡単でないことだけは明らか、ですね。 

 

(次回につづく)

 

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