ガラパゴスの向こう

 

よく日本経済や日本の通信業界の現状を表わす言葉として、「ガラパゴス化」という表現が使われます。日本の市場で独自の進化を遂げた製品・技術・サービスなどが世界標準から大きくかけ離れてしまい、気が付いた時には世界の動きから大きく取り残されてしまう状態のことをいいます。

 

前回前々回と日本の自動車ビジネスの動向を見てきましたが、この「ガラパゴス化」は中国をはじめとした海外(世界)市場だけでなく、国内市場においても若年層の「自動車離れ」という形で進行しています。国内においては日本政府も巻き込んだ減税措置による表面的な販売促進の動きはありますが、自動車が再び消費者にとって「なくてはならないもの」にするための抜本的な変化を起こす動きは見られません。

 

 

    この向こうに見えるものは何でしょう?
    この向こうに見えるものは何でしょう?

 

今日の自動車業界の動向は、あくまでも日本のビジネス全体に起きている現状を映し出す一例にすぎません。その他の業界の動向を見ても、多くの場合、全く同じような現象が見られることを、この場であえて説明する必要はないかと思います。

 

ではなぜ日本のビジネスにおいて、「ガラパゴス化」が進んでしまうのでしょう? 

 

最近「日本の内向き志向」といった表現がよく使われていますが、原因はやはりここにあると思います。「内向き志向」と言うとすごくネガティブな印象を受けますが、別の言い方をするとすれば、「与えられた仕事を地道にコツコツと行う姿勢」ということになると思います。

 

こんなことを書くと、「地道にコツコツと」のどこがいけなんだ!といった声が飛んできそうです。確かにこのような姿勢は、昔から物事に取り組む際の「お手本」や「心構え」として認知される傾向があります。またこういう姿勢を貫く人を、美徳の持ち主として称賛されることもよくあります。しかし今の時代、「地道にコツコツと」だけでは通用しない時代であることを認識する必要があると思います。

 

では逆に「地道に…」がビジネスを成長させる際に通用する状況とは、どのような状況でしょう? 大きく分けて2つの状況が考えられます。一つ目は、現在自身が業界のトップにあり、提供する製品やサービスが「世界標準」的な位置付けがされている。(例:1980年代の日本の自動車業界) 二つ目の状況は、コスト削減・作業の効率化・新しい技術開発などの「企業努力」で、ある一定の成果を上げられたら、確実に成長につながる環境にある場合です。(例:196570年の日本の「いざなぎ景気」に代表される高度成長期) 

 

上の2つのような時代に「地道に…」を推し進めることは大いに受け入れられますが、そうでない時代では単なる「内向き志向」になり、更には「無責任な独り善がり」になってしまう恐れがあることを、先入観にとらわれることなく理解する必要があります。上の2つの好ましい状況ではない環境で、ただ「地道にコツコツと」(つまり「内向き志向」で)与えられた任務・責任を果たすべく努力したとしても、行きつく先はやはり「ガラパゴス化」への道になってしまいます。

 

前回前々回のブログで検証してきました通り、今の日本のビジネスの状況は、上の2つの状況に当てはまりません。もちろん「地道に…」の姿勢は大切ですが、今の時代、提供する製品やサービスが対象となる市場において「なくてはならないもの」と位置付けされるには、それだけでは足りません。

 

 

(次回につづく)

 

 

(Part 1) (Part 2) (Part 3) (Part 4) (Part 5) (Part 6)

ブログ:Anything Goes 掲載中  

反響が大きかったブログを厳選しました!

情報収集の場として活用ください。

トレースグローブマネジメントの

facebook ページです。(ロゴをクリック)

  最近のつぶやきから…

   ( twilog へ移動 )