見当違いのメッセージ

 

前回のブログで、中国では日本車は「なくてはならないもの」と位置付けられていないと、簡単に書いただけで済ませてしまいましたが…。

 

この現状について、とんでもない事だ、と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

中国は今や世界で最も大きな自動車市場です。他メーカーはこの市場でどんどん業績を伸ばしています。日本の自動車メーカーも何十年も前から中国で活動していながら、なぜ日本車は中国の人々にとって未だに「なくてはならないもの」ではないのでしょう?中国でのビジネスは他国と比べ、様々な面で条件が異なり、一筋縄ではいかないことはたくさんあるでしょう。(もちろん、一筋縄でいく市場などどこにも存在しませんが・・・) 何かが大きく間違っていた(そして現在も?)と、考える必要があるのではないでしょうか。

 

 

       この公式が成り立つのが今の時代の流れです
       この公式が成り立つのが今の時代の流れです

 

 

さて、今度は国内に目を向けてみましょう。

 

国内で最近話題になっていることといえば、う~ん…。 最近ちまたで自動車に関連した事柄が、以前のように話題になることが少なくなりましたね。モデルチェンジや新車が発表されても、以前のように騒がれなくなりました。運転免許を取得する人(特に若年層)の減少傾向が続いていることも影響しているのかもしれません。(運転免許取得者の減少傾向は、警察庁が公表する統計結果 pdf を見ても明らかです。)

 

そんな中、最近よく目にする自動車メーカーのTVコマーシャルがあります。車の宣伝ではなく、若年層に免許を取得することを勧めるメッセージのみを伝えています。「免許を取ろう」、だそうです。

 

日本の多くの若者が自動車に関心を持っていた二十数年前の時代と比べ、今の時代は何が決定的に違うでしょうか。答えは簡単です。インターネットと携帯電話(スマホ)の爆発的な普及と発展がその違いです。今の若者にとってインターネットへのアクセスと携帯電話を所持することこそが「なくてはならないもの」であって、自動車を所持することではないのです。 これが現実です。

 

当然これらの「なくてはならないもの」を所持するには初期の購入・加入費だけでなく、維持するためのランニングコストもかかります。国内経済が芳しくない状況が延々と続く中、そして一人あたりの平均所得が減り続けている中(詳細情報:厚生労働省 pdf)、優先順位の低い自動車の購入費や維持費にお金をまわす余裕のある若者が少ないのは当然です。(ちなみに総務省統計局によると、一世帯当たり(世帯主が34歳まで)の月間通信費は、約13,000円だそうです。これを払った後、車のローンや保険料、そしてガソリン代などを払うのがどんなに大変になるかは、簡単に想像できるのではないでしょうか。)

 

自動車業界はこの現実をどう受け止めているのでしょうか? 全てを受け止めた上で、「免許を取ろう」と、メッセージを発信しているのでしょうか? 

 

日本の若年層がランニングコストとして毎月使えるお金は、20年前よりも限られています。そして今はそのお金のをネットやスマホ等の通信費用関連に充てる方が優先順位が高いのが現状です。

 

どうしてそんな負担をしてまで免許が必要なのでしょう? 今の人たちにとって、自動車を持つとどのようなメリットがあるのでしょう?

 

自動車業界がこれらの質問を前向きに捉え、納得いく答え(ビジョン)を示せなければ、どんなに車の性能を向上させても、燃費を良くしても、また、ガソリンではなく電気で走る車を作っても、更にはスマホを使って車を操作できるようにしても、自動車が再び「なくてはならないもの」なることはないでしょう。

 

 

(次回につづく)

 

 

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