「きっかけ」と「原因」の違い

日本のビジネスといいましても、とても幅が広くひとまとめにして話すには無理がありますので、今回は日本経済の象徴的な存在でもある自動車業界の動向を軸に話をしたいと思います。(前回のブログへはこちらから

 

この業界で最近新聞などを賑わしている話題といえば、中国での日系自動車メーカーの販売台数が軒並み大きく落ち込んだというものでしょう。各メーカーとも前年同月比で40%~50+%の落ち込みということですから、とんでもない事態です。中国の自動車市場は停滞気味ではあるものの、欧州メーカーや韓国メーカーについては大幅に販売台数が伸びたとの情報も届いています。

 

 

 Cars are cars all over the world... なくてなならない?
 Cars are cars all over the world... なくてなならない?

 

こうした事態を招いた原因として挙げられているのは、日中関係の悪化です。確かに、中国各地で起きた反日運動やそれに伴う暴動等によって、会社が操業できなくなってしまったことが影響していないと言ったら嘘でしょう。しかし、もし「反日」が原因ならば、自動車業界だけでなく日本の他のビジネスも同様に影響が出ているはずですが、果たしてどうでしょう?(「反日」はとにかく日本はイヤだという動きですから、メイド・イン・ジャパンなら全て平等にダメでなければおかしいはずです。)

 

昨夜NHKのニュース9でも放送されていましたが、日本の花産業は中国でも依然大人気。昨日からスタートした国際展示会(幕張メッセ)では、中国の出展企業40社のキャンセルもなく、国別の参加企業ではトップとのことです。(関連記事) (一方東京国際フォーラム等で開催されていますIMF総会では、中国の財政相と人民銀総裁が欠席することが明らかになりましたが…。)

 

もし本当に「反日」が原因ならば、こんな違いは起きないはずです。では何が本当の原因なのでしょうか。

 

様々な経済的な要因や政治的な要因を織り交ぜた説明も可能でしょう。でも私の考えはとてもシンプルで、対象となる製品・商品が中国の人たちにとって「なくてはならないもの」として位置付けができているか、そうでないかの違いだけだと思っています。つまり、多くの中国の人たちにとって日本の花は「なくてはならないもの」ですが、日本車はそうではないということだと思います。中国では日本の車は、買えないのならば他国産の自動車を買えばいい、日本車がでなければダメというような存在ではないことが、今回の一連の流れを受けはっきりしたのだと思います。

 

今回の日系自動車メーカーの販売不振は、日中関係の悪化が本当の原因ではありません。両国の関係悪化は、中国市場における日本メーカーの位置づけが明らかになるきっかけとなったにすぎなかったと思います。

 

別に日本の自動車メーカーを弁護するわけではありませんが、日本車メーカーの技術力は今も昔と変わらず「ピカイチ」です。販売されている自動車も、ここまで「かゆいところに手が届く」車はないかもしれません。しかしいくらこうした利点(差別化要因)を積み上げたとしても、中国の人たちにとって日本車は「なくてはならないもの」ではない現実があります。

 

このギャップに問題の本質が潜んでいるのではないかと思うのですが…。

 

 

(次回につづく)

 

 

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