壊れた時計でも、1日2回は…

アメリカでは大統領選がいよいよ活発になってきました。先々週と先週、共和党と民主党がそれぞれ全国大会を開催し、正式に候補者が決定しました。

 

こうした大きな舞台では、毎回多くの人が演説をします。今回もたくさんの演説がありましたが、その中で最も評価が高かったのがクリントン元大統領の演説でした。あまりにも評価が高かったので、私もネットで見てみましたところ、やはりいい演説だと思いました。演説の主たる目的を、自分の考えることや思うことを分かりやすく視聴者に伝え共感してもらうことだとすると、クリントン元大統領の演説が他の誰よりもその目的を達成できたと思いました。(参考のために両大統領候補や副大統領候補等の演説も聞いてみましたが、クリントンさんの演説がずば抜けていたと思います。)

 

クリントン元大統領は、昔から演説が上手な人として知られています。情感豊かな表現を用いながら視聴者の感情に訴えかけるスタイルではなく、まるで親しい友人や親族に話しかけられているような、何とも言えない柔らかな雰囲気を醸し出すスタイルです。それでも伝えたいことはきっちりと伝えるパワーがあります。他の人が真似しようとしても、できません。やはり凄腕のコミュニケーターだと思います。

 

この写真の時計だって…

 

先日の演説でも、聞いた途端頭から離れなくなった言葉があります。

 

現実の政治の世界で物事を進めるためには、違いばかりを主張して対立するのではなく、お互いに協力することが大事だということを訴え、何につけても反対ばかりする共和党の姿勢を批判すると同時に、これまでのオバマ大統領のオープンな姿勢を称賛するくだりがあったのですが、そこでこんなことを言うのです。

 

“After all, nobody's right all the time, and a broken clock is right twice a day…”

 

「常に正しい人なんて結局どこにも存在しない中で、壊れて動かなくなった時計でも12回は正しい時間を伝えるんですよ…」 

 

こう発した途端、会場は大きな笑いに包まれ、主張していたことが一気に受け入れられます。誰も注意を払わない壊れた時計のような存在にまでも視野を広げ、幅広く意見を聞くことが大事だと言っているとも受け取れますし、取りようによっては、どんな役立たずでも参考になるときがある、とも受け取れます。

 

先週のクリントン元大統領の演説は、数字(事実)をベースとした大変分かりやすい内容ですが、上にお伝えしたようなウィットに富んだ表現もいたるところに鏤められています。南部訛りで聞き取りにくいかもしれませんが、演説はネットで簡単に検索できますので、一度聞いてみてはいかがでしょう。(演説文も簡単に検索できるので、それを見ながら聞いてみるのもよいでしょう。)

 

 

(おわり)

 

ブログ:Anything Goes 掲載中  

反響が大きかったブログを厳選しました!

情報収集の場として活用ください。

トレースグローブマネジメントの

facebook ページです。(ロゴをクリック)

  最近のつぶやきから…

   ( twilog へ移動 )