第3章 英語で行う会話の本質 【1/5】

国際ビジネスで使われる英語とは、どのようなものなのか

 

3.1. 英語はビジネス界では国際語。だから便利、でも実は難しい

 

 前章でも少し記しましたが、今日のビジネス環境において英語を使う人々は、英語を母国語とする人たちだけではありません。英語は世界のあらゆる国々の人々が、他国の人とコミュニケーションをとる時に使用する言語になっています。まさに、ビジネスにおいて英語は国際語であると言って、否定する人はいないと思います。英語を使うことで、世界の多くの国の人々とコミュニケーションをとることができるようになるのですから、大変便利ですね。

 

 今後ビジネスを発展させていくことを考えますと、英語のコミュニケーションがとれるようになるだけで、必要不可欠なビジネスの国際化を進められるようになるわけです。第1章でも触れましたが、日本の企業やそこで働く人々にとって英語スキルを身につけること、スキルアップすることはこれからますます重要になります。

 

 しかしこのような便利さの反面、英語はたくさんの国の人々が使う言葉であるがゆえに、使い方が非常に難しい言葉でもあることを理解する必要があります。第2章では、海外の人とのコミュニケーションを阻害する要因として、「文化の壁」が引き起こす問題をご紹介しました。異なる文化をバックグラウンドとして持つ人々とコミュニケーションをとる際は、「当たり前」とすることが必ずしも一致しない環境に身を置くことになります。ビジネスにおいてコミュニケーションをとるときは、相手の文化や習慣に対する感度「sensitivity」を上げて注意を払う必要があることをお伝えしました。

 

 この章では、こうした「文化の壁」がもたらす問題を踏まえ、文化という大変幅の広い事柄を含んだトピックから、英語という言語にフォーカスします。そして英語が国際語としての役割を担うがゆえに抱える問題について考えていきます。

 

 英語が国際語として使用されるために起るコミュニケーション障害には、大きく分けて2つの種類があります。この本では、1つ目の障害を「ネイティブ英語の障害」、そして残るもう1つを「外国英語の障害」という名前を付けて話を進めていきます。この章ではこれらの障害が何であり、具体的にどのような問題を起こすのかを紹介します。そしてこれらに対し、我々日本人が英語を使ってコミュニケーションをとる場合、何に気を付ければよいかを考えてみたいと思います。

 

 【注】英語が母国語でない我々は、英語を使ったコミュニケーションで

    障害が発生した際、その原因を英語の知識レベルのせいにして

    しまう傾向があります。この考え方は、コミュニケーションで障害

    が起こる理由は、知っている単語、フレーズ、言い回し、文法など

    で、足らないことがあるから起きるという考えです。確かに英語

    について多くを知らない人は、コミュニケーションをとることに苦労

    するのは理解できることです。また、英語が得意な人と不得意な

    人とでは、同じことを伝えても、伝わり方に差が出てしまうことも

    理解できます。しかし、この章でご紹介する2つのコミュニケーショ

    ンの障害は、英語の知識レベルに関係なく生じるものであること

    を予めお伝えしておきます。従いましてこれからご紹介する内容

    は、我々がよく用いる英語の知識レベルの有無で測る「ものさ

    し」は、あまり役に立たないことを頭の片隅に置いてください。

 

 

3.2. 英語は奥深い豊かな言語

 

 当たり前の話ですが、英語を母国語とする人々にとって英語は、仕事をする時だけでなく、普段の生活でも使用する言葉です。英語圏の国々では、英語は学校教育から娯楽まで、ありとあらゆる分野で、大人から子供まですべての人々によって使われています。しかもそれは最近始まったことではなく、何世紀もの間続けられており、英語はその使われ方を時代に合わせ進化(もしくは変化)させながら今日に至っています。英語はこの人たちの文化の一部なのです。これは日本語が日本文化の一部であることと、全く同じ位置づけです。

 

 英語は日本語や他の国の言葉と同様に、人々が生活する中で常に使われる言葉です。使われ方に応じ、色々なスタイルで活用できる「奥が深い」言葉だということも言えます。

 

 国際間のビジネスでは、この英語の「奥深さ」がコミュニケーションを邪魔する原因をつくることがあります。この障害を「ネイティブ英語の障害」といいます。ここからは「奥深い」英語とは具体的にどういうものであるかをいくつかの例を挙げていきます。そしてこうした英語がどのような形でコミュニケーションを邪魔し、「ネイティブ英語の障害」になっていくかを考えていきます。

 

 英語には1つの事柄を表現する方法は何種類もあるとか、(日本の)学校では習わない英語の表現があるといった話になりますと、英語の慣用句(idioms)や俗語・スラング(slang)、さらにはことわざ(proverbs)などを思い浮かべる人もいると思います。このような慣用句やスラングなども、「ネイティブ英語の障害」になる可能性があります。例えば、下の慣用句の意味は分かりますか。

 

    1. Water under the bridge → 「橋の下の水」?

    2. Let the cat out of the bag → 「猫を袋から出す」?

    3. A piece of cake → 「一切れのケーキ」?

    4. When pigs fly → 「豚が空を飛ぶとき」?

 

 1は、橋の下の水は流れて去っていくことから「過ぎ去ったことはもう重要ではない」ということを言います。2は、「これまで公開していなかった情報や物事を公開する」という意味です。(その結果、大騒ぎになることも示唆しています。)3は、ケーキは誰でも好きなもので、一切れならすぐに食べられるということから「簡単にこなせるタスク」を意味します。4は、豚が空を飛ぶことはないことから「絶対に起らないこと」という意味です。

 

 

 

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